「トライバル」という言葉の使用について、何年も前から問題視する声が上がっていて、ここ数ヶ月で ITS (Improvisational Tribal Style → Improvisational Team Synchronization) と ATS (American Tribal Style → FatChanceBellyDance Style) へと名前を変えました。
主な理由は、「トライバル(トライブ/部族)」の一員であるという意味は、世界で少数民族の人たちが差別や集団殺害を乗り越えてきた辛い歴史があることであり、それらを経験したことのない人種の人がその単語を安易に使っていけないという考えの人が声をあげたから。(詳しく読みたい人はDonna Mejiaの記事を探してみてね。たくさん調べたり読んだりしたのを完結にまとめたので、それ以外にも細かい理由はあります)
確かに歴史はそうかもしれない。言葉一つで嫌な思いをする人がいるから問題になってるのも分かるし、踊っている全世界のダンサーがハッピーでいてほしいと思う。きっと英語圏で「ATSやトライバルフュージョン踊ってます」と言って、どこの部族の踊り?、アメリカのトライブってどこのこと?や、変な顔されたり、批判されたりしたことも、多々あったんだと思う。
様々な文化からの要素を取り入れたこの踊りは、同じ宗教や共同生活はしていないけれど、ある意味同じ踊りの言語を使い、世界中どこへ行っても仲間が見つけられる。正しい言葉の意味では使っていないけれど、長年そう区別されてきて、今では独自の意味合いを持っていると思う。特に日本語は便利で、外来語をそのままカタカナで使用できる。そんな英語圏外の人たちは、「トライバル」という言葉を、「フュージョン」と繋げることで、新しい意味として捉え、この踊りを示す新しい単語として使用してきたと思う。
ITSとATSは名前をもう変えました。私はそれについては、踊りを作った創立者が名前を変更するのは自由だと思うし、たくさんの人をハッピーにさせるために、自分が長年親しんできた名前を変更するのは、本当に辛いだろうし、苦渋の決断だったと思う。
私はATSは以前やっていてそれをベースに持っているけれど、メインでは現在踊ってはいないので、直接的にレッスンなどへの大きな影響はないんだけれど、、
(でも今後新しい名前のファットチャンスベリーダンススタイルの説明を求められた時、英語の熟語で、あり得ない、見込みはない、などの意味で、名前がついたエピソードは…と話すのは正直大変そう。時間があればもちろん話すけれどね!でも毎回そうではない。「ファット」も「チャンス」も誰でも知ってる英単語。熟語を知っている人でも、理由知らないと不思議なネーミングに思うだろう。世界中の英語圏外のダンサーは、この変化にとても困惑している。中国語とかなんて訳すんだろう…。あとは英語圏外の踊りを知らない人が直訳しないか心配。)
、、ATSから派生した、大きな枠組の「トライバルフュージョン」というジャンルの人たちはどうなるのか…。これは設立者も特にいないし、(強いていうなら始めたのはジルパーカーやレイチェルブライスだけれど、世界中のダンサーを取りまとめているわけではない)、みんな独自のスタイルを取り入れて踊っている。
ただのフュージョンベリーダンス?ATSやトライバルの基礎となる踊りを勉強した人も、オリエンタルベースのフュージョンも全て一緒?もちろんどちらも素敵だし、色々な人が独自のスタイルで踊っているのは大好きなんだけど、ベースの違いが分かる人にとってはちょっとざっくりしすぎてような気もする。トライバルフュージョンベリーダンスと、フュージョンベリーダンスを分けて考えていた脳みそには、まだついていけない。
それに、フュージョンベリーダンスと言ったところで、私は何か二つの踊りを融合しているわけではないのももう1つの理由。例えば、フラメンコとベリーダンスを融合して踊っています、とかならまだ分かる。でも私の場合はATSやトライバルの基礎をベースに踊っていて、他の踊りはほとんど習ったことがないのです。インスピレーションは色々なところから受けるけれど!なのでフュージョンベリーダンスという呼び名は、今の私には納得できる呼び方ではない。
言葉も文化も必ず変化、発展していくもので、特に言葉は元々の意味から派生されて新しい意味をもった言葉もどんどん出てきていると思う。時代とはそういうことなのだと思う。
そもそも「ベリーダンス」という言葉もフランスで初めて踊りをみた記者が「『お腹の踊り』だ!(+ネガティブな批評)」の偏見から名付けられたものと言われているのに、ここまで広まってきたTFをダメと言い始めたら、どこまで遡るのか。言葉は物事を区別するためにあり、「踊り」と一言でいうとバレエなのか当時ヨーロッパで流行っていた踊りのことなのかも分からないし、ベリーダンスという言葉で表現する必要があった。そして、アメリカ人が独自のスタイルを入れたものにまた新しい区別するための言葉が必要で、トライバルフュージョンベリーダンスという呼び名が作られた。新しい名前を受け入れて進んでいくことはできなかったのか…。それとも変更することが正解で、前進しているのか…。
元々トライバルフュージョンやATSはアフリカやアジアの様々な装飾を衣装につけて踊る、その独特のアンティークな雰囲気が好きでこの踊りが好きになった私にしてみれば、その文化出身じゃないと他文化のジュエリーを使うのも駄目と言われてしまいそうな未来が悲しい。クチアクセサリー、アシュート生地、タッセル、見た目が美しくて大事に使ってきたのに…。近代のものしか身に纏っちゃいけなく、音楽も現代のもので他文化のものは使ってはいけないとか言われ始めたら、本当に悲しい。(ちなみに私は日本とアメリカのハーフだけど見た目が白人よりなので、和フュージョンベリーダンス踊って批判されたことがある。自分の文化とは、血なのか、見た目なのか、生まれ育ったところなのか…他文化を好きになってはいけないのか。そもそもその批判してきた方は、日本人がベリーダンス踊っているのは楽しそうに見てましたけど…自分の文化じゃなければいいんかい笑)
踊りに言葉は必要ないから好きなんだけれど、これでまた一つアートに制限がかかって、深い溝が作られてしまったような気もしてしまう。
まだまだこれについてはたくさん考えていくけれど、活動していくにあたって決める必要があると思い、自分の師匠とも話をして、日本で活動している私はまだ自分のことをトライバルフュージョンベリーダンサーと名乗ろうと思っています。他に納得できる呼び方を見つけ、名前を変えることに納得ができるまで。
日本には先輩ダンサーたちがたくさんいるし、私のこのブログがどのくらいの影響力があるかは分からない。でも、自分の言葉には責任を持ちたいし、柔軟に違う意見も聞きたいし、いずれは呼び方を変える決断をするかもしれない。そんな中で今思っていることを書いてみました。少しでも世界の状況把握と、あなたはどうしたいかを考えられるように。
これを機にレッスン名やグループの名前を変更するダンサーのことも、しないダンサーのことも、私は尊重します。
これをきっかけに、トライバルフュージョンベリーダンスから離れたり、踊るのをやめたりは、しないでください!
私の大好きな踊り。
まだまだ発展させて、広めていきたい。
Many of the discussions online are in English, and I believe many Japanese Tribal Fusion Bellydancers are confused, so I have decided to write in Japanese to explain the situation that I know of and my thoughts on this.
I respect any of your choices of change in the name of your dance style, but for now, I’ll continue calling myself a Tribal Fusion Bellydancer, because that makes more sense to me in my culture and country. But I wouldn’t mind if you call me a Fusion Bellydancer or just a Bellydancer or even a Dancer for your country ( :