公平性

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もマイペースにブログの更新をしていきます。よろしくお願いします。

故郷

アーティストによっては私生活を晒さないタイプの方もいますが、私は比較的出している方だと思います。先日も聞かれたので、たまには出自について書いてみます。

甘いもの大好きな顔してますね

私は生まれも育ちも神奈川県の横浜で、日本の幼稚園、小学校、中学校、高校、大学に通いました 。そのうち、中学で2年間カリフォルニアに住み、大学は英語で勉強する学部にしたので、英語もある程度は話せます。父がアメリカ人で母が日本人ですが、日本語の環境で育てられたので、幼い頃は金髪の白人の方が町中にいると、じーっと見てしまっていたのを覚えています。自分が暗い色の髪だったからか、自分の見た目をあまり理解していなかったようです。

そんなことはさておき、長く一つの町で過ごした私にとって、生まれ育った横浜は正直ただの場所でしかなかったのですが、離れないと分からないのが故郷の良さ。大人になって東京に移り住んで初めて知りました。歩道の広さや街の綺麗さ、緑の多さ、家から大通りまでの遠さなど。東京の家の近くに大型ショッピングモールがないことにもまだ慣れません笑。そして単に、たまに帰った時の見慣れた街並みの与える安心感こそ、故郷なんだなと感じるようになりました。

2023.9.3 Yokohama Bellydance Festival

そんな私ですが、今回横浜出身ということで呼んでいただいた、ヨコハマベリーダンスフェスティバル。本当に久しぶりの大きなフェスでした。主催しているのは、最近放映していたドラマ「セクシー田中さん」の監修をしていらっしゃる、Izumiさん。物販やスポンサー、昼公演、ウクライナ公演、夜公演と、とても賑やかなイベントでした。

Izumiさんの投稿から拝借しました
⇧こちらのBEE&YOUの生はちみつを頂いた&購入したのですが、美味しくてオススメ!

私たちGarnet Motionは夜の部に出演しました。上級クラスとの新作トリオ、初級クラスの1曲、Michelleソロ、10人群舞の4曲構成にしました。今回はその中でも、新作の「Hedone」という作品について語ろうと思います。

“Hedone” by Michelle, 美喜, Momoko Bella

女性の社会進出

新作を作る時に見つけたAmanatiのHedoneという楽曲。ギリシャ語で快感や快楽を意味します。そこからヒントを得て、ずっと挑戦したみたかったゴッデス、女神を中心とした作品に取り組みました。女性が女性であることを心から楽しめて愛せることの素晴らしさは、産後少しずつ感じられるようになり、何か縛られているものから解き放たれていくような感覚をイメージして作りました。

近年では女性の社会進出が当たり前になり、男性のペースに合わせて就労し、月経が来ても痛み止めを飲んで痛みや倦怠感などを誤魔化しながら働く。もちろん、生理休暇の整っている会社もありますが、人手不足の時はやむを得ず出勤することを選ぶ人もいるでしょう (それは男女問わず怪我や病気、風邪の場合も然り)。

反対に、いずれ妊娠出産するからと管理部署にはつけさせてもらいにくく、有能な人が排除されることもあるでしょう。私はアルバイトをしていた頃、最初の時給設定に男女差を感じたことがありました。その男性同期との能力は同等か、強いて言えばその環境では私の方が言語的に優勢だったのにも関わらずです。もしかしたら他の要因でそう決定し、私の思い違いかもしれませんが、期待されていないことに気付いた時は正直がっかりしました。もちろん、女性である私はいつか妊娠出産で働けない状況になる可能性はありますが、男性も同様、いつ怪我や病気で働けなくなるかなんて誰にも分かりません。それらの理由以外に退職する可能性は同確率であります。会社はチームを形成する上で、ある程度は誰かが欠けても仕事を回せるようにするべきで、性別ではなくて能力に合わせて判断して欲しいと思った出来事でした。

Garnet Motion

男女の違い

昨今では男女の脳の作りが違うと言われていて、その考え方には私も同感です。全ての男性にあるとは言いませんが、男性の決断力の速さ、強い責任感、一つのタスクへの集中力などは社会が安定して発展していくために必要不可欠だと思います (もちろん女性でもそのような人もいるでしょう、私も一部そっちよりかも)。何か事件が起こるとその悪い部分に目が行きがちですが、彼らのおかげで安心して毎日を過ごせている部分も多くあることを、忘れないようにしています。

一方で、女性が社会進出したことによって、一部の女性ならではの観点で社会貢献できている部分もあると思います。細かい作業、マルチタスク能力、問題発見力、顧客への共感力などが挙げられると思います (上記同様、性別関係なく得意不得意な人は存在します)。社会進出を始めた当初、女性は男性が築き上げてきた社会の仕組みに馴染むために合わせる必要があったのだと思いますが、女性のホルモンバランスを無視してまで合わせる必要はなくなってきたのでは、と私は思います (それが出来る出来ないについてはここでは言及していません)。女性が女性として生き、月経や妊娠出産を経ても、社会に関わる選択がもっとしやすくなると良いなと思います (ジェンダーの選択も然り。でも月経とジェンダーチョイスは関係ないのでまた今度)。

必要な人に、必要なものを

女性だけでなく、男女ともに生きやすく、個々が自由に人生の道を選ぶ権利をより受容できる社会が私の理想です。また、社会を回すためには人が必要であり、現在の人手不足の原因の一つは少子化であると言われています。いつか、「子どもを持つのはラグジュアリー」という夫婦の意見を目にしましたが、経済的にこの核家族文化で子どもを持つことは贅沢であると感じている人が多いようです。実際に子どもを持つのはかなりお金がかかります、産むまでも産んでからも。来年2025年から多子世帯の大学無償化が始まるようですが、大学費用ももちろん用意は大変ですが、それ以前に出産時の入院費用や(補助金額が上がっても病院費用も何故か上がっていく)、核家族が増えた現代ではより必要性を感じる父親の育児への加担しやすい環境など、大学無償化より先にやれることがあると思います。それらが整っていないのに大学が無償になるから3人も子どもを持とう、とは気軽には思えません。

話を戻しますと、私の述べた月経など女性特有のサポートの話と、社会での男女不平等の話に矛盾を感じる人もいるかもしれませんが、どちらも存在する問題です。私は女性を常に特別対応すべきということや男女平等を訴えているのではなく、老若男女の公平性について問いています。必要がある人に必要なサポートを、という意味です。例えば、幼児は稼ぐ能力がないので養ってもらう権利があるように、女性には月経と妊娠出産の可能性があり、それらが起こった時には必要なサポートを受けられるようにシステムを今より整え、世の中の認識を変えるべきという考えです。

子どもと女性以外はサポートが必要ないか?というと私はそうは思いません。日本は自殺大国と言われており、男性の比率が常に高い状態です。そのため、男性にはメンタルサポートが本来もっと必要だと私は思っています。幼少期から感情の抑制をされるような教育をされがちで (「男だから泣くな」など)、必要な成長過程を通って来れなかった成人男性は、全員カウンセリングに通ってほしいです。是非に。(ちなみに、子どもは7歳頃まで脳がまだ未熟で、本来感情のコントロールができるようになるはそれ以降だそうです。それ以下の年齢は、まず安心できる環境で感情をしっかり外に出し、それがどんな感情なのか学び、どのようにその感情に向き合えばよいのか、丁寧で根気強い大人のリードがあることが望ましいそうです。私も毎回成功はできていませんが、2歳の息子のどんな感情もなるべく受け止められるように努力しています。)

Saturday Classも素敵でした

まとめると、みんな幸せになれるように気遣っていきたいよね、という話しでした。私も男性社会に合わせて生きてきて、ビジネスについて考える時は男性脳になりがちですが、それを手放して出来上がった今回の作品は、女性として生きる喜びを感じるために「解放」を意識した作品となりました。次に女性性を意識した作品を作る時は、解放後の素直な喜びを表すのではと思っています。「Hedone」は映像作品として残せるよう、年末に撮影をしたので公開までお楽しみに。